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ヘビの歯型&キスシーン集

1、今更ですが微流血シーン含みます。
2、咬んでいるヘビは全て野生の個体です。
3、筆者が死なない程度の感染症や中毒になった場合、サイト上で報告致します。
4、筆者がヘビに咬まれて死んだ場合、深夜二時頃にこのページを見た方の枕元に立って報告致します。

アオダイショウ

田んぼの中で気持ち良く水浴びしていたところを筆者に邪魔され、
大変お怒りになられたアオダイショウが咬み付いたときの歯型です。(fig.01)
咬み付いた個体は全長が約150cmで、まずまずの大きさでした。

画像左側の歯列が多くなっている方は上顎によって、
右側のU字型になっている単列の傷は下顎によって付けられたものです。
人間で言うところの口角にあたる部位には歯が無いため、傷になりません。

筆者はこのときだいぶ興奮して痛覚が麻痺していたため、咬まれても軽い圧迫感があるだけでした。

アオダイショウ(Elaphe climacophora)の咬み痕

fig.01:アオダイショウの歯型
長野県にて

シマヘビ

岩場での日光浴を邪魔し、面識が無いにも関わらず馴れ馴れしく触る失礼な輩を成敗した時の印です。(fig.02、03)
咬んだ個体は全長80cm程と小さ目で、食らい付いていた時間は30秒にも満たない短い間でしたが、
上下の歯並びが一目で判る、非常に美しい歯型が付きました。

「シマヘビは気が荒いから咬み付くのだ」という俗説が一般に広がっていますが、
これは極めて人間至上主義的で、動物の立場に立って考える事を完全に放棄した発想です。
彼らは人間に追い立てられて、仕方なく、嫌々、やむを得ず実力行使に及んでいるだけであり、
自ら率先して馬鹿みたいに体格差のある相手と戦っている訳では断じてありません。

シマヘビが持つ本来の性質についてはコチラをどうぞ。
「気が荒い」という言葉の意味についてはコチラをご覧ください。

咬み付くシマヘビ(Elaphe quadrivirgata)

fig.02:失礼な輩を成敗する
東京都産

シマヘビ(Elaphe quadrivirgata)の咬み痕

fig.03:シマヘビの歯型
東京都にて

ヒバカリ

用水路に1分ほど潜水して逃げ切ったと思ったところを筆者に捕獲され、
パニックを起こし咬み付いてしまったヒバカリの歯型です。(fig.04〜07)

その個体は全長が45.6cmで、咬み付いていた時間は1〜2分程でした。
ぶら下がって体重を左側に掛けながら口をグリグリと動かしたため、傷の付き方に程度差があります。
左側の後牙によって付いた傷は、切り口の汚さ故に血液が上手く排出されず、
感染症や化膿を引き起こすリスクが高そうだったため、エキストラクターで吸引しました。

長く、そして深く咬まれたにも関わらず、後牙以外の歯による傷はあまり出来ない点が興味深いです。
傷がかさぶたになって、ようやっと歯並びが判る程度です。
無毒ヘビに咬まれても、ピットバイパーが付ける牙痕の様になる事があるのは、
治療する側にしても、される側にしても覚えておいて損は無いと思います。
セオリー通りの歯型には中々ならないものです。

咬み付くヒバカリ(Hebius vibakari)

fig.04:指を齧るヒバカリ
大分県産

ヒバカリ(Hebius vibakari)の咬み痕(吸引前)

fig.05:吸引前(流水で洗浄)
大分県にて

ヒバカリ(Hebius vibakari)の咬み痕(吸引中)

fig.06:吸引中
大分県にて

ヒバカリ(Hebius vibakari)の咬み痕(吸引後)

fig.07:ヒバカリの歯型
大分県にて

シロマダラ

日光浴を邪魔した挙句、ベタベタ触る筆者にブチ切れたシロマダラ様がお付けになった歯型です。(fig.08、09)

その個体は全長がおよそ60cm、咬み付いていた時間は約2分で、
トゲ付きの洗濯ばさみで挟まれた様な圧迫感がありました。
上顎、下顎の吻部側には鋭い歯があるようで、それぞれ一対の針で刺した様な傷ができます。
それ以外は歯自体が小さいためか、綺麗な歯型は得られません。
傷がかさぶたになれば、多少は歯並びが判る様になります。

こちらもヒバカリの歯型同様、無毒ヘビが付けるセオリー通りのそれにはなりませんでした。

咬み付くシロマダラ(Dinodon orientale)

fig.08:ご立腹のシロマダラ
東京都産

シロマダラ(Dinodon orientale)の咬み痕

fig.09:シロマダラの歯型
東京都にて

ツシママムシ

退路を断たれてやむを得ず咬み付こうとするツシママムシを撮影したものです。(fig.10)
この写真を見て本種の気が荒いと思われた方、それは間違いです。

撮影したヘビの体高が5cmだとすると、筆者との体高差は約33倍になります。
つまり身長165cmの人間に置き換えて考えると、体高約54mの動物が目の前でウロついてる事になる訳です。
ヘビのテリトリーに入り込み、異常接近してきた人間を咬むヘビを「気が荒い」と表現するならば、
自宅に入り込んだ熊や猪に対して包丁やバットを向けた人間も「気が荒い」と言えるでしょう。

人間は物言わぬ動物を相手に、筋の通らない自分勝手な解釈をし過ぎです。
残念ながら牙痕の写真はありませんが、ピンクの歯肉が可愛らしく撮れました。
キュートなツシママムシちゃんに感謝です。

咬み付くツシママムシ(Gloydius tsushimaensis)

fig.10:咬み付くツシママムシ
長崎県対馬島産

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