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繁殖適齢期に達していない、やや小さなヘビのこと。
これに対して孵化間もない子ヘビを幼蛇、繁殖可能な親ヘビを成蛇と呼ぶ。
抗原抗体反応が人体内で過剰に起こり、重い全身症状が急速に生じるアレルギー反応のこと。
主な症状は呼吸障害や意識障害、血圧異常や全身の紅潮、蕁麻疹、嘔吐や下痢など。
生命活動に深刻な悪影響を及ぼすため、迅速な治療を要する。
生物分野、自然環境分野などで使われる用語で、その人が専門とする生物を指す。
例えば哺乳類を専門にする人であれば哺乳類屋さん、
植物が専門であれば植物屋さんといった呼び方をする。
語尾に"屋"がつくからと言って、別にその生き物を販売している訳ではない。
咽頭・・・と言うよりは下顎を覆う鱗のこと。(図示参照)
種によって大きさがまちまちで、大抵は一対の前咽頭板と、一対の後咽頭版に別れる。
損傷が酷く、下顎くらいしか残っていないような脱け殻や死体を識別する際に役立つ。
+咽頭板(アオダイショウ)
神奈川県産
+咽頭板(エラブウミヘビ)
鹿児島県小宝島産
内部が中空で先端が開口する、管状の毒牙のこと。
日本国内ではクサリヘビ科に属する7種のみがこれを有する。
管牙は注射針と同一構造であり、対象へ咬み付いた瞬間に毒液が注入される。
ニホンマムシの管牙
栃木県産
鱗の中央に走る、線状の隆起のこと。
種によってはこれが全く無かったり、弱かったりする。
またキールは色彩や斑紋と違って、個体による極端な差が殆ど生じない。
そのため識別点としての精度が高く、色彩変異を起こした個体や、
胴体の一部分しか残っていないような脱け殻、死体などを見分ける際に役立つ。
キール(アオダイショウ)
千葉県産
1、「少しでも抵抗する」の意
2、「私は悪くありません」の意
全ての場合において自分は被害者であると考えている、素敵な脳味噌を持つ哺乳類が、
相手が行う正当防衛を一方的加害であると勘違いした挙句、本来の性質を捩じ曲げ言い表したもの。
「大好きな女性を駅前で見かけたので、駆け寄って後ろから抱きついたらハンドバックで殴られた。
この女性は ‐ 性格だ。」
「ネコの尻尾を掴んで持ち上げたら、後ろ足で引っ掻かれた。
ネコという種は ‐ 生き物なので注意が必要だ。」
片方が利益を得、もう片方が不利益を被る共生のこと。
ヘビに寄生する主な生物は、マダニ類、ヒル類、線虫など。
また、一般的に寄生している生物の事を「寄生虫」と呼ぶが、
分類学的に言えば昆虫でない寄生虫はかなり多い。
アオダイショウに寄生したマダニ類
長崎県対馬島産
瞳孔の周りを囲んでいる部分のこと。
周囲の光量によって瞳孔が拡大縮小し、それに合わせてこの面積が変わる。
虹彩の色は種や個体によってかなり変化がある。
アオダイショウの虹彩
神奈川県産
シマヘビの虹彩
神奈川県産
腹板と尾下板の中間にある大型の鱗のこと。
種によってはこれが対を成す場合と、そうでない場合がある。
胴体が千切れた脱け殻、死体などを識別する際に役立つ。
+一対の肛板(アオダイショウ)
千葉県産
+単一の肛板(ニホンマムシ)
神奈川県産
生物の体色が黒くなる色彩変異のこと。
黒化はかなり主観的な表現で、アルビノのように厳密な定義付けは成されていない。
そのため、例えばヤマカガシの青色型やトカラハブの濃色型は"通常"より黒く、
遠目だと真っ黒に見えるため、これらは一般的に黒化型と呼ばれる。
ヤマカガシの色彩変異
岡山県産
トカラハブの色彩変異
鹿児島県小宝島産
動物が食物を探し、見つけ、それを食べること。
例えば公園をウロウロと徘徊し地面をつつくハトや、人間を巧みに誘惑し餌を頂戴するネコ、
12:00頃に社外へ涌き出すサラリーマンなどは採餌活動をしていると言える。
1、物欲に支配されたお猿さんに軟禁される事。
2、珍妙な形態の哺乳類に愛され、十分な食べ物と広い部屋、安全で快適な暮らしを提供されること。
生物の体色のこと。地域や個体、時期などによって差異がある。
色彩がよく似ていても別種であったり、逆にこれが大きく異なっていても同種だったりする。
そのため分類群によっては、種同定の際に色彩が全く役立たない事がある。
ただし日本産のヘビ類においては、これを見ればたいてい種を判別可能である。
色彩(ツシママムシ)
長崎県対馬島産
色彩(ニホンマムシ)
神奈川県産
生物の体色が通常とは異なる色になること。
原因は多々あるが、先天的な色素欠乏によるものや、地理的変異によるものなどがある。
アルビノや白変種、黒化型なども色彩変異である
先天性の黄色素欠乏(ニホンアマガエル)
千葉県産
ウイルスによる病的変異(ダンゴムシ類)
長崎県対馬島産
赤色型、茶色型、青色型(サワガニ)
千葉県産
赤色型と青色型(ヤマカガシ)
山梨県産
人のソレにしろ、動物のソレにしろ、彼らは貴方に見つけてもらうのを静かに、静かに待っている。
もし待ち続けても見つけて貰えない場合は、死体の方から人を呼ぶ事がある。
吻端板を除いた上唇を覆う鱗のこと。
種ごとに枚数が決まっているが、体鱗列数に比べると変異が多いため過信は出来ない。
ヘビの横顔を撮影した写真や、頭部だけの脱け殻などを識別する際に役立つ。
+上唇板(アオダイショウ)
長崎県対馬島産
繁殖適齢期に達した大人のヘビのこと。
これに対して産まれて間もない小さなヘビを幼蛇と呼ぶ。
また、繁殖適齢期ではないが、幼蛇でもない中間的なサイズのヘビを亜成蛇という。
頭部の側面にあり、上側を頭頂板、下側を上唇板に挟まれた鱗の事。(図示参照)
眼球に近いほうを前側頭板、遠いほうを後側頭板と呼ぶ。
体鱗列数に比べると変異が多く過信は出来ないが、ヘビの横顔を写した写真や、
体鱗が数えられない状態の脱け殻、死体などを識別する際に役立つ。
+前側頭板と後側頭板(シマヘビ)
栃木県産
+前側頭板の変異(シマヘビ)
長崎県福江島産
腹板にあるキールのこと。
樹上や岩場等の立体的な場所で活動する際にこれを引っ掛けて支点にし、昇降する。
また、腹側から撮影したヘビの写真や、体背面の損傷が激しい死体などを識別する際に役立つ。
側稜が有る腹板(シマヘビ)
栃木県産
側稜が無い腹板(ヤマカガシ)
東京都産
腹板を除いた、胴回りにある鱗の枚数のこと。
種ごとに枚数が決まっていることを利用し、同定に用いられる。
色彩、斑紋が不明瞭な脱け殻や、色彩変異を起こした個体を識別する際に役立つ。
体鱗列数の数え方(アオダイショウ)
東京都産
昼間に行動が活発化する動物の性質のこと。
これはあくまでも"傾向"であり、昼行性の動物でも夜間に活動することがある。
昼行性に対照を成す性質が夜行性、その中間が薄明薄暮性である。
Dead On the Road の略称で、路上にある死体のこと。
基本的に交通事故で死んだ動物の遺体を指す。
生き物屋はこれを見つけると記録、解剖、回収(標本化)等を行う場合がある。
またDORを作るか作らないかは、自分の選択次第である。
悪意なく路上に出てくる
鹿児島県奄美大島産
アマミノクロウサギ
鹿児島県奄美大島産
眼の中心にある、黒い部分のこと。
瞳孔の周りは虹彩に囲まれており、周辺の光量によって両者の大きさは変化する。
また、ヘビには楕円形の瞳孔を持つ種と、正円形の瞳孔を持つ種がいる。
シマヘビの瞳孔
神奈川県産
毒液を獲物や外敵に打ち込むための歯のこと。
牙を管状にしたり、溝を入れたり、刃物のように鋭くしたりと、
対象に咬み付いた際に毒液が流れやすくなるように工夫されている。
管状の毒牙(ニホンマムシ)
栃木県産
溝状の毒牙(エラブウミヘビ)
奄美大島産
鎌状の毒牙(ヤマカガシ)
千葉県産
採餌活動の際、自分から積極的に動き回って獲物を探すタイプのこと。
これに対して、ある場所から動かずに待ち続けて獲物を狩るタイプを待ち伏せ型という。
日が昇りかけた時や、日が暮れかけた薄暗い時間帯に行動が活発化する性質のこと。
昼行性と夜行性の中間的な性質と言える。
ただしこれらの性質は厳密に分けられるものではなく、あくまでも傾向である。
そのため薄明薄暮性の動物でも日中や深夜に活動することがある。
ヘビの尾部にあり、腹板に代替する大型の鱗のこと。
種によってはこれが対を成す場合と、そうでない場合がある。
キール、鱗孔、体鱗列数などと同じく、精度の高い形態学的な識別点である。
そのため胴体が千切れた死体や脱け殻などを見分ける際に役立つ。
+尾下板(アオダイショウ)
千葉県産
赤外線を捉える穴状の感覚器官のこと。
日本に生息するヘビの中でピットを持つのは、クサリヘビ科に属する7種のみである。
彼らが持つピットは鼻孔と眼の中間に位置する。
ニホンマムシのピット
神奈川県産
ホンハブのピット
沖縄県渡嘉敷島産
ツシママムシのピット
長崎県対馬島産
トカラハブのピット
鹿児島県小宝島産
ヘビの腹側にある鱗のこと。
地表面で生活するヘビの場合、腹板は他の鱗に比べて大型である。
ただし純海洋性のウミヘビ類や、原始的なメクラヘビ類などはこれが発達していない。
腹板(シマヘビ)
東京都産
吻部を覆う鱗のこと。この左右には上唇板が隣接する。
ヘビを真正面から撮影した写真や、頭部しかない脱け殻などを識別する際に役立つ。
また、撮影されたヘビが飼育個体かどうかも、ここを見れば大よその察しがつく。
+吻端板(アオダイショウ)
東京都産
採餌活動の際、ある場所から動かず待ち続けて近寄ってきた獲物を狩るタイプのこと。
これに対して、自分から積極的に動いて獲物を探すタイプを徘徊型という。
夜間に行動が活発化する性質のこと。
これはあくまでも傾向であり、夜行性の動物が日中に全く活動しない訳ではない。
夜行性に対照を成す性質が昼行性、その中間が薄明薄暮性である。
林道や田んぼの脇に設置された手洗い場のこと。
その辺に落ちていた死体を解剖したり、動物の捕獲時に排泄物をかけられたり、
土や朽木をほじくったり等、フィールディング中に手が汚れた際に役立つ。
ただし水の色が真緑だったり、油膜が浮いている様な汚そうなものは避けるべきであり、
エビ、カエル、イモリ、ドジョウ、ヘビなどが利用している、透明で清潔そうな用水路を利用する事。
産まれて間もない小さな子ヘビのこと。
これに対して、繁殖可能な大人のヘビを成蛇と呼ぶ。
また繁殖適齢期ではないが、幼蛇でもない中間サイズのヘビを亜成蛇という。
体鱗にある一対ないし単一の窪みのこと。英名はApical pitという。
生理的な役割は不明で、何のためにあるのか分かっていない。
キールと同じく形態学的な識別点であり、極端な個体差が出ない。
一見すると色彩や斑紋が似ていて同種に見えても、
形態的な差異がある場合、別種であると疑った方が良い。
色彩(ツシママムシ)
長崎県対馬島産
色彩(ニホンマムシ)
神奈川県産
鱗孔(ツシママムシ)
長崎県対馬島産
鱗孔(ニホンマムシ)
神奈川県産
死体の保管に用いられる保冷装置のこと。
サンプルや飼料の保存、冷暗所を好む生物の飼育にも役立つ。
また低温かつ恒温であるため、食品の保冷に用いられる事もある。
この箱に路上や用水路で拾ったフレッシュな死体を入れると、何故か周囲の人に怒られてしまう。
腐っていなくても、衛生的害にならぬよう密封していても、である。
これはつまり、怒られる理由は汚いからではなく、死体の生々しい見た目が原因なのである。
毛がフサフサしたあんなものや、足がたくさん生えているこんなものを入れる際は、
中身が見えないようにカモフラージュして、さりげなく無断で入れるのがエチケットであろう。
DORや漂着死体などを凍らせて半永久的に保存できる、便利な箱状の恒温装置。
標本作成の際、対象生物を〆る(凍死させる)のにも使われる。
一般家庭では畜肉や魚などの死体を保存する際に用いられるが、
その辺でテイクアウトした死体を入れると周囲の反感を買うことが少なくない。
上記のような場合は自分しか食べない食品パッケージで梱包し、何も言わず入れてしまうと良い。
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